独立するまで確定申告は他人事だった
会社員のころ、確定申告は「年末調整でよしなにやってもらえるもの」だった。
フリーランスになってはじめて「自分で申告しないといけない」と知った。最初の年は2月になってから焦って、何度も税務署のサイトを読み直した。
毎年やっていくうちにパターンがわかってきた。怖いのは最初だけだ。
青色申告を選んだ理由
フリーランスの確定申告には「白色申告」と「青色申告」がある。
自分は独立した翌年から青色申告を選んでいる。理由は一つ:最大65万円の特別控除が受けられるから。
65万円の控除は所得税・住民税の両方に影響する。収入が同じでも、青色申告かどうかで手元に残る金額が変わる。
手間は増えるが、会計ソフトを使えばそこまで難しくない。
青色申告を始めるための手続き
青色申告をするには、事前に税務署への申請が必要だ。
「青色申告承認申請書」を税務署に提出する
期限は、その年の3月15日まで(前年から引き続きの場合)。または開業した日から2か月以内。
独立した年に「すぐ青色申告したい」なら、開業届と一緒に提出しておく。
毎年の確定申告のスケジュール
| 時期 | やること | |---|---| | 1月〜1月末 | 前年分の経費をすべて会計ソフトに入力 | | 2月上旬 | 各種書類(支払調書等)が届く | | 2月上旬〜3月15日 | 確定申告書を作成・提出 | | 3月15日まで | 納税(追加納税の場合)or 振替納税手続き |
会計ソフトは最初に決める
青色申告の手間を減らすために欠かせないのが会計ソフトだ。
自分はfreeeを使っている。銀行口座・クレジットカードを連携させると、取引が自動で取り込まれる。あとは勘定科目を確認してOKを押すだけ。
会計ソフトなしで手作業で帳簿をつけようとすると、2月になってから大変なことになる。
フリーランスSEが経費にできるもの
経費として計上できる主なもの:
仕事に関係するもの(全額)
- 書籍代(技術書・ビジネス書)
- セミナー・勉強会の参加費
- 資格試験の受験料
- 仕事用のソフトウェア(AdobeCC・会計ソフト等)
- 仕事で使うPCやモニター
- 通信費(仕事で使う分)
自宅兼事務所の場合(按分)
- 家賃(仕事使用割合分)
- 電気代(仕事使用割合分)
- インターネット代(仕事使用割合分)
按分とは「全体のうち仕事で使った割合」で計算することだ。自宅が100㎡で書斎が10㎡なら、家賃の10%を経費にできる。
フリーランスならではのもの
- 源泉所得税(請求書から引かれている分)
- 国民健康保険料
- 国民年金保険料(社会保険料控除として)
源泉所得税の扱いを間違いやすい
フリーランスSEが特に気をつけるべきなのが源泉所得税の扱いだ。
エージェント経由で案件に入ると、請求書から10.21%の源泉所得税が引かれて振り込まれることが多い。
たとえば月60万円の単価なら、振り込まれるのは約53万8千円。差額の約6万2千円が「源泉徴収税額」として引かれている。
この源泉徴収税額は確定申告で精算できる。年間の税額を計算したときに、すでに払っている源泉徴収税額を差し引いた額が「追加納税or還付」になる。
エージェントから毎年1月ごろに送られてくる「支払調書」に、その年の源泉徴収税額の合計が書いてある。これを確定申告書に転記する。
支払調書が届かないときの対処
エージェントによっては支払調書を発行しないところもある。
支払調書は「発行義務がある書類」ではなく、なくても確定申告はできる。銀行の入金記録と請求書から自分で計算する。
会計ソフトに入力していれば、そこから算出できる。
消費税の申告は別の話
消費税の申告は所得税の確定申告とは別に行う。
免税事業者(開業から2年間・または前々年の課税売上が1,000万円以下)は消費税の申告・納税が不要だ。
インボイス制度(2023年10月〜)の絡みで「適格請求書発行事業者」に登録するかどうかの判断が必要になっている。詳細は税理士または税務署への相談が確実だ。
税理士を使うかどうか
自分は今のところ自分で申告しているが、以下の場合は税理士を使うことを検討する価値がある:
- 売上が増えてきた(目安:年収1,000万円前後)
- 副業収入の種類が複雑になってきた
- 節税の余地を洗い出したい
税理士費用は月1〜3万円程度。節税効果と比べて判断する。
まとめ
フリーランスSEの確定申告で押さえておくこと:
- 青色申告を選ぶ(65万円特別控除が大きい)
- 会計ソフトを最初に決める(年間通じて入力を続ける)
- 経費を正しく計上する(書籍・PC・按分できる固定費)
- 源泉徴収税額を確認する(支払調書を2月までに集める)
- 消費税とインボイスは別途確認(状況次第で対応が変わる)
怖いのは最初だけ。やれば毎年パターンがわかってくる。