独立後に慌てたことが何個もあった
フリーランスSEとして独立したとき、仕事の取り方や収入の見通しは調べていた。
でも手続き・税金・保険まわりは、「なんとかなるだろう」で独立してから慌てた。
「先にやっておけば良かった」と思ったことを、これから独立を検討している人向けに整理する。
独立前にやっておくこと:手続き編
①開業届の提出
独立したら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出する。
提出期限:事業開始から1か月以内(義務)
提出先:住所地を管轄する税務署。国税庁の「e-Tax」でオンライン提出もできる。
青色申告を使う場合は「青色申告承認申請書」も同時に提出する。
②社会保険の切り替え
会社員から独立すると、健康保険と年金の扱いが変わる。
健康保険の選択肢
- 国民健康保険(市区町村の役所で手続き)
- 任意継続(前職の健康保険を2年間継続)
- 家族の扶養に入る(収入条件あり)
どれが得かは収入・前職の保険料によって変わる。退職後20日以内に手続きが必要な任意継続を先に確認しておく。
年金
- 会社員:厚生年金 → フリーランス:国民年金
国民年金は月額16,980円(2025年度)。年間約20万円の出費になる。
③確定申告の準備
独立した年の翌年から確定申告が必要になる。
会計ソフト(freee・弥生・マネーフォワード等)は独立した当日から使い始める。後でまとめて入力するのは非常に大変だ。
銀行口座も「事業用」と「プライベート用」を分けておく。混在すると経費の仕分けが難しくなる。
独立前にやっておくこと:仕事確保編
④最初の案件のめどをつける
独立前に「最初の仕事」のめどをつけておく。
理想は独立と同時に稼働できる案件がある状態だ。
ルートの例
- 前職の人脈(前の現場の担当者・同僚)
- エージェント登録(独立前でも登録できる)
- クラウドソーシング(小さい案件から実績を積む)
エージェントへの登録は独立前から動いていい。「〇月に独立予定で、〇月から稼働したい」と伝えれば案件紹介を受けられる。
⑤エージェントを複数登録する
フリーランスSEの案件探しに使うエージェントは複数登録しておく。
エージェントによって得意な案件の種類が違う。インフラ系が強いエージェント・開発系が強いエージェントなど、特色がある。
単価や条件を比較するためにも、複数登録して複数の情報を持っておく。
⑥スキルシートを最新化しておく
独立後すぐに動けるよう、スキルシートを最新の状態にしておく。
エージェントにスキルシートを提出するとき「今すぐ提出できる状態」であることが大事だ。直近の案件経験を記載した版を準備しておく。
独立前にやっておくこと:お金編
⑦貯蓄の確保
独立直後は収入が安定しない可能性がある。最初の案件が始まるまでに時間がかかることもある。
目安として、生活費の3〜6か月分の貯蓄があると心理的に楽になる。
⑧消費税・インボイスの整理
2023年10月以降、インボイス制度が始まっている。
「適格請求書発行事業者」に登録するかどうかの判断が必要だ。登録しないと、取引先(特に大手や上場企業)に「仕入れ税額控除ができない」という理由で契約を断られる可能性がある。
エージェント経由の案件では、登録を求められることが多い。
⑨単価の目線を持っておく
独立後の単価交渉は自分でやる必要がある。
市場の単価感を先に確認しておく。
スキルシートの情報を入力すると、市場単価の目安が出る。交渉の根拠として使える。
独立後の最初の1年でやること
独立直後に経験することと対処:
案件が取れるか不安 → エージェントを複数使って複数の案件情報を見る。最初から単価にこだわらず「実績を作る」ことを優先する。
請求書の書き方がわからない → 会計ソフトの請求書テンプレートを使う。源泉所得税の計算方法を確認しておく。
確定申告の時期に慌てる → 月次で経費を入力する習慣をつけておく。
まとめ
独立前の準備チェックリスト:
手続き編:
- □ 開業届・青色申告承認申請書の準備
- □ 健康保険の切り替え先を決める
- □ 会計ソフトの選定
仕事確保編:
- □ 最初の案件のめどをつける
- □ エージェントを複数登録する
- □ スキルシートを最新化する
お金編:
- □ 貯蓄3〜6か月分の確保
- □ インボイス登録の判断
- □ 市場単価の確認
準備をしっかりやっておくと、独立後に「こんなはずじゃなかった」が減る。手続きまわりは特に、後からやろうとすると手間がかかる。先に片付けておくのが一番楽だ。