「コード生成ツール」だと思っていたが違った
Claude Codeを使い始めたとき、「エンジニアがコードを書くためのツール」だと思っていた。
でも使い続けていくうちに、インフラSEとしてコード以外の場面でも使えることがわかった。
特に実感したのが「設計書・手順書の作成」だ。
具体的な使い方:手順書の初稿をAIに作らせる
たとえばRHEL8の初期設定手順書を作るとき、こういう指示を出す。
RHEL8サーバーの本番投入前の初期設定手順書を作って。
対象読者は初めて担当するインフラSE。
タイムゾーン・NTP・SSH・SELinux・firewalldの設定を含めること。
各手順に確認コマンドと期待値を書くこと。
するとMarkdown形式で手順書の骨格が出てくる。
大事なのは「これをそのまま使わない」こと。AIが出した内容は:
- 環境固有の設定値(IPアドレス・ホスト名等)が入っていない
- 現場の制約(作業窓口時間・承認フロー等)が反映されていない
- 稀に古い情報や間違った情報が混じる
AIの出力を「たたき台」として使い、現場の情報を加えて完成させる。これが効率的な使い方だ。
実際に時間が短縮できた例
移行計画書の作成
以前は移行計画書の構成を考えるだけで30分以上かかっていた。「何を書くべきか」の抜け漏れが怖いから。
今は「Windows Server移行計画書の目次案を作って。現行調査・移行先設計・リハーサル計画・本番計画・切替後確認の章を含めること」と指示する。
目次案が出てきたら、現場の状況に合わせて章立てを調整して書き始める。構成を考える時間がほぼゼロになった。
チェックリストの作成
「RHEL8移行作業の当日チェックリストを作って。作業前確認・作業中の確認ポイント・完了確認の3段階で構成すること」と指示する。
抜けがちな確認項目をAIが拾ってくれることがある。人間は「当たり前のこと」を書き忘れることがあるが、AIは「基本的なことを網羅する」という点では有用だ。
Claude Codeとクラウドのclaude.aiの違い
ドキュメント作成で使うのは、Claude Code(ターミナル)ではなく、ブラウザ版のclaude.ai(または Claude.ai app)が多い。
Claude Codeはプロジェクトのファイルを直接編集できる点が強みだが、ドキュメント作成であればブラウザ版でも問題ない。
ただしプロジェクトに保存した文書ファイルをAIに読み込ませて修正させたい場合は、Claude Codeの方が便利だ。
cd /path/to/project
claude
# 「migration-plan.md の手順5の詳細を追記して」
AIを使うときの注意点
機密情報を入力しない
顧客名・IPアドレス・パスワード・サーバー名など、プロジェクト固有の機密情報はAIに入力しない。
設計書の構成やフレームワークを作る段階まではAIを使って、具体的な値の入力は自分でやる。
最終確認は必ず自分でやる
AIが出した設計書・手順書の内容を、人間がレビューする。コマンドが正しいか・手順の順番が合っているか・制約に沿っているかを確認する。
「AIが出したから大丈夫」は危険だ。特に本番環境に関わる手順は、自分の目でレビューしてから使う。
インフラSEがAIをうまく使うコツ
「何を作りたいか」を明確にしてから指示する
「手順書を作って」より「〇〇サーバーの移行当日の切替手順書を作って。作業時間枠は22:00〜翌6:00。確認コマンドと期待値を含めること」の方が精度が上がる。
指示が曖昧だと出力も曖昧になる。これはAIの問題ではなく、指示の問題だ。
テンプレートとして繰り返し使う
一度うまくいった指示文は保存しておいて、次回も使う。チームで使うなら共有する。
まとめ
Claude CodeをインフラSEとして使うポイント:
- 設計書・手順書の初稿はAIに出させる(構成を考える時間を削る)
- AIの出力をたたき台にして、現場固有の情報を加えて完成させる
- 機密情報は入力しない
- 最終確認は必ず自分でやる
- うまくいった指示文は保存して再利用する
「コード生成ツール」というイメージが強いが、ドキュメント作成にも十分使える。インフラSEの生産性を上げる手段の一つとして、試す価値はある。